応急処置  III その他の応急手当の基礎実技

1.体位の管理法

傷病者に適した体位(姿勢)を保つことは、呼吸や循環機能を維持し、苦痛を和らげ、症状の悪化を防ぐのに有効である。
傷病者の希望する、最も楽な体位をとらせる。
体位を強制してはいけない。
体位を変えてやる場合は、痛みや不安感を与えないようにする。
 
(1) 仰臥位(ぎょうがい)(仰向け)
背中を下にした水平な体位である。
全身の筋肉などに無理な緊張を与えない。
最も安定した自然な姿勢である。
仰臥位(仰向け)

(2) 膝屈曲位
仰臥位で膝をたてた体位である。
腹部の緊張と痛みを和らげる姿勢である。
一般的に、腹部に外傷を受けた場合や、腹痛を訴えた場合に適している。
膝屈曲位

(3) 腹臥位(ふくがい)
腹ばいで、顔を横に向けた体位である。
食べたものを吐いているときや、背中にけがをしているときに適している。
腹臥位

(4) 回復体位(側臥位(そくがい)
傷病者を横向きに寝かせ、下あごを前に出して気道を確保し、両肘を曲げ上側の膝を約90度曲げ、後ろに倒れないようにする体位である。
吐いた物を口の中から取り除きやすい。
窒息防止に有効である。
ポイント
意識のない傷病者に適している。
側臥位

(5) 半座位
上体を軽く起こした体位である。
胸や呼吸の苦しい傷病者に適している。
頭にけがをしている場合や、脳血管障害の場合に適している。
半座位

(6) 座位
座った状態でいる体位である。
胸や呼吸の苦しさを訴えている傷病者に適している。
座位

(7) 足側高位
仰臥位で足側を高くした体位である。
貧血や、出血性ショックの傷病者に適している。
足側高位


習ったばかりの心肺蘇生法で監視員が女の子を救う
 主婦Aさん(29歳)は、近くの公園の一般用プール(水深1.25m)で遊泳中、プールの底に市内の小学校1年生の女の子(6歳)が沈んでいるのを発見し、ただちに引き上げました。
女の子はすでに心臓、呼吸ともに停止していました。
 プールの監視をしていたBさん(24歳)と女の子の母親が、ただちに心肺蘇生法を実施するとともに、救急車を要請しました。
 Bさんは、日頃は公園の管理員をしていますが、10日ばかり前に近くの消防署で同僚とともに心肺蘇生法の講習を受けたばかりでした。人工呼吸と心臓マッサージを開始して1分後、女の子は息を吹き返しました。
 Bさんは、「幼い命を助けたいと思い、夢中でした。息を吹き返すまでの1分間は、とても長く感じました。さっそく講習の成果を生かすことができ、本当にうれしい。」と話しています。


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