応急処置  I 心肺蘇生法

3.小児・乳児に行う心肺蘇生法の手順

小児・乳児・新生児の区分について
小児などに対する心肺蘇生法のやり方は、年齢に応じて異なるところがある。ここでは、「小児」とは、「1歳以上8歳未満」を、「乳児」とは「1歳未満」を、また「新生児」とは生後28日未満」を、それぞれいう。
子供でも、8歳以上の場合は、成人と同じやり方で心肺蘇生法を実施する。
以下の手順で、○の項目は、成人の場合とおおむね同じであるので「成人」の該当項目を参照のこと。

[2] 小児・乳児・新生児の心肺蘇生法の手順

(1) 意識を調べる
刺激を与えて反応を見る。


(2) 助けを呼ぶ
   (意識がなく、ぐったりしている場合は、すぐに助けを呼ぶ)
救助者が2人以上いる場合には、その場で大声を叫んで119番通報とAEDを手配し、心肺蘇生法を実施する。
もし、助けを呼んでもだれもいない場合(救助者が1人しかいない場合)は、まず、以下の心肺蘇生法(気道の確保、人工呼吸、心臓マッサージ)を2分間実施し、その後に119番通報を行いAEDが近くにあればとりに行って戻って心肺蘇生法を続ける。


(3) 気道の確保
頭部後屈あご挙上法(きじょうほう)により、気道の確保を行う。


(4) 呼吸を調べる
頬を口・鼻に寄せて、十分な呼吸をしているか、10秒以内に調べる。
呼吸が感じられないか、不十分な場合には、直ちに口対口人工呼吸(または口対口鼻人工呼吸)を開始する。
十分な呼吸が感じられるならば、回復体位にする。


(5) 人工呼吸
   (口対口人工呼吸法、口対口鼻人工呼吸法の実施)
呼吸がなければ、まず、2回息を吹き込む。

対象 方法 吹き込む時間と回数 吹き込む量
小児
(1歳以上〜8歳未満)
口対口人工呼吸 吹き込みに
1秒かけて2回
胸の上がりが
見える程度
乳児
(1歳未満)
口対口鼻人工呼吸
(または口対鼻人工呼吸)

a. 小児に対する口対口人工呼吸
b. 乳児・新生児に対する口対口鼻人工呼吸
口と鼻を同時に自分の口に含む。もし同時に覆えないときは、口を閉じた状態で口対鼻人工呼吸でもよい。

小児には
口対口人工呼吸
乳児・新生児には
口対口鼻人工呼吸


(6) 心臓マッサージ(胸骨圧迫心臓マッサージの実施)
小児の場合(圧迫位置は成人と同じ)
片方の手の付け根で、胸骨の下半分の部位を、胸の厚さのおよそ1/3くぼむまで圧迫する。必要に応じて両腕で圧迫してもよい。

床面が固く平らなところで行う。もし、ベッドやソファに倒れているときは床面に移す。
片方の手の付け根で圧迫
小児


乳児の場合
両乳頭を結ぶ(想像上の)線より少し足側(尾側)の胸骨を指2本で、胸の厚さのおおよそ1/3くぼむまで圧迫する。
片手の2本の指(中指・薬指)で圧迫
乳児・新生児
片手の2本の指(中指・薬指)で圧迫 片手の2本の指(中指・薬指)で圧迫

対象 圧迫の部位 圧迫の方法 圧迫の程度 圧迫の速さ
小児
(1歳以上〜8歳未満)
胸骨の下半分 片手の付け根で
※両手でもよい
胸の厚さの
おおよそ
1/3くぼむまで
約100回/分
乳児
(1歳未満)
乳首を結ぶ線より
指(横)1本分だけ下側
中指・薬指の2本で


(7) 心肺蘇生法の実施
   (心臓マッサージと人工呼吸の組み合わせを続ける)
小児・乳児の場合(成人と同じ)
気道を確保した状態で、胸骨圧迫心臓マッサージ30回と、口対口(又は口対口鼻)人工呼吸2回のサイクル(30:2)を続ける。


対象 心臓マッサージと
人工呼吸の
組み合わせ
一回の組み合わせ
心臓マッサージ 人工呼吸
小児
(1歳以上〜8歳未満)
30:2 約100回/分の速さで30回 吹き込みに
1秒かけて2回
乳児
(1歳未満)


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